電話転送・電話代行付きバーチャルオフィスの選び方【2026年比較】
電話転送と電話代行、月額の差は3,000円以上になることがある。どちらを選ぶかで年間コストが4万円近く変わってくるのに、この違いをちゃんと理解して契約している人は意外と少ない。
結論から言う。顧客からの問い合わせ電話が頻繁にかかってくる業種なら電話代行一択。月1〜2件程度の着信なら、電話転送で十分だし代行は完全にオーバースペック。この2点を押さえておくだけで、選択肢は半分に絞れる。
「転送」と「代行」——似て非なる2つのサービス
電話転送は、バーチャルオフィスに付与された固定電話番号に着信があったとき、その電話を自分のスマホへ自動的につなぐ仕組みだ。つまりオペレーターは介在しない。相手にとっては「03から電話したら普通につながった」という体験で終わる。
電話代行は違う。バーチャルオフィスの受付スタッフ(もしくは外部の電話代行会社のオペレーター)が電話に出て、用件を聞き、メールやチャットで報告してくれる。自分は電話に出なくていい。でも当然、そのぶん料金がかかる。
| 項目 | 電話転送 | 電話代行 |
|---|---|---|
| 電話に出るのは | 自分 | オペレーター |
| 相手への印象 | 普通の応対 | 秘書がいる印象 |
| 月額の目安 | 2,000〜3,500円 | 4,000〜10,000円+ |
| 向いている状況 | 着信が少ない/自分で出られる | 着信が多い/外出が多い |
電話代行は「秘書がいる会社」という印象を作れる点で強い。士業や不動産、コンサルタントなど、電話一本で信頼が決まる業種では、これが大きなアドバンテージになる。
固定電話番号の取得方法は3通り
バーチャルオフィスで固定電話番号を持つ方法は、大きく3パターンある。
① バーチャルオフィスのオプションとして契約する
レゾナンスやNAWABARIのように、住所サービスとセットで電話番号を提供しているパターン。一元管理できるのが利点だが、解約するとその番号も同時に失う。これは後述するが、かなり見落とされがちなリスクだ。
② クラウドPBXを別途契約する
GMOオフィスサポートが案内している「03PLUS」がこれにあたる。バーチャルオフィスとは別に、クラウドPBXサービスと契約して固定番号を取得する。月額1,078円(税込)から利用できて、スマホアプリで03番号の発着信が可能になる。バーチャルオフィスを乗り換えても番号を維持できるのが大きなメリットだ。
③ IP電話(050番号)を使う
050番号はコストを最小化したい場合の選択肢。ただし、050から始まる番号は法人口座開設の審査で不利になることがある。銀行によっては「固定電話番号(03・06等)がないと口座開設できない」という条件を設けているため、注意が必要だ。
主要4サービスの料金と特徴を比較する
住所サービス込みの月額総コストで見ていく。電話機能だけの料金ではなく、実際に使うトータルコストで比較したほうが現実に近い。
レゾナンス——電話代行まで完結させたい人向け
住所利用プランが月額990円(税込・年払い)から始まり、電話転送をセットにした「転送電話セットコース」が月額3,190円〜。電話秘書代行まで含めたコースになると、月額5,000円台が目安になる。
電話秘書代行プランでは月50コールまで無料で対応してもらえて、超過分は1コール200円の従量課金。ちなみに営業電話はコール数にカウントされない。これは実際の負担が想定より低くなる可能性があるという意味で、わりと重要なポイントだ。
東京都内に10拠点を展開しており、住所のバリエーションが多いのも強み。渋谷・銀座・新宿など、業種のイメージに合わせて住所を選べる。
レゾナンスを選ぶべき人
電話代行まで含めたオールインワンが欲しい人。拠点の多さと料金バランスが国内でもトップクラス。ただし、年払いが割引の前提になっている点は要確認。
GMOオフィスサポート——コスト最小化なら
基本プランが月額660円(税込)で、住所利用と郵便物転送(月1回)が付く。電話番号の取得は03PLUSを別途契約するかたちで、月額1,078円(税込)〜。合計で月額1,738円〜という計算になる。
ただし、GMOオフィスサポート自体には電話代行機能がない。電話に自分で出られる環境が前提のサービスだ。外出が多く電話対応を任せたい、という人には向いていない。
03PLUSはGMOグループのサービスではなく、株式会社グラントンが提供するクラウドPBXで、GMOオフィスサポートが案内している形。契約やサポートの窓口が分かれている点は、使い始めてから気になる人もいるかもしれない——正直ここは自分もまだ実際に使ったことがないので、口コミを参考にしてほしい。
GMOオフィスサポートを選ぶべき人
コストを最小限に抑えたい人。電話は自分で出る前提で、固定番号だけ欲しいケース。電話代行が必要になったときは別途検討が必要になる。
NAWABARI——転送機能がシンプルに使える
住所プランが月額1,100円(税込)で、初期費用ゼロというのが特徴。電話転送(03番号)を追加すると月額2,800円(税込)かかり、合計3,900円〜になる。
留守番電話のメッセージをテキスト変換してメールで送ってくれる機能があって、これが地味に便利だという口コミをよく見る。月30件まで無料という制限はあるが、少量の着信管理には十分だろう。東京・目黒に拠点があり、ネットショップ運営者や個人事業主の利用が多いイメージ。
ナレッジソサエティ——千代田区の住所で品質重視
東京都千代田区神田という、信頼度の高い住所を提供しているサービスで、月額4,950円〜。電話番号の提供や転送・代行サービスも一体で行っている。
法人口座の開設保証を掲げているのが他社にはない特徴で、銀行口座の開設に不安がある人には心強い。電話代行の件数制限や従量課金の詳細については、正直、自分の調査だけでは確認しきれなかったため、問い合わせて確認することを強く勧める。
| サービス名 | 住所+電話転送(月額) | 電話代行 | 初期費用 |
|---|---|---|---|
| レゾナンス | 3,190円〜 | ○(5,000円台〜) | 5,500円(キャンペーン0円) |
| GMOオフィスサポート | 1,738円〜(03PLUS別契約) | × | 5,500円 |
| NAWABARI | 3,900円〜 | ×(留守電テキスト化のみ) | 0円 |
| ナレッジソサエティ | 4,950円〜 | ○ | 要確認 |
業種で変わる「最適解」
どのサービスが合うかは、自分の業種と電話の使い方で決まる。いくつかのケースで整理してみる。
- 士業(税理士・司法書士・弁護士):顧客との電話応対の質が信頼に直結する。電話代行でオペレーターが丁寧に用件を受けてくれる体制が望ましい。レゾナンスかナレッジソサエティが選択肢になる。
- ECショップ・ネットショップ:問い合わせは主にメールで来ることが多く、電話は少数。転送だけで対応できるケースが多い。コストを抑えてGMOオフィスサポート+03PLUSの組み合わせでも問題ない。
- コンサルタント・フリーランス:外出が多く電話に出られない時間帯が多い人は電話代行が便利。ただし月額が跳ね上がるため、着信件数と照らして費用対効果を考える必要がある。
- IT系・エンジニア:Slackやメールで完結するビジネスなら、固定番号を持つこと自体が目的(法人設立の要件、口座開設)で、転送か050で十分なことが多い。詳しくはフリーランスエンジニア向けバーチャルオフィスの記事も参考にしてほしい。
解約したら番号が消える——見落とされがちなリスク
これは使い始めてから気づく人が多い。バーチャルオフィスのオプションとして固定電話番号を取得した場合、そのオフィスを解約すると番号も同時に使えなくなる。
名刺やWebサイトに電話番号を載せていたなら、変更のコストはバカにならない。既存顧客への周知、サイトの修正、広告のリンク先更新……それだけで数万円の工数になることもある。
この問題を回避するなら、03PLUSのようなクラウドPBXを独立して契約する方法が有効だ。バーチャルオフィスとは別の事業者と契約しているため、オフィスを乗り換えても番号は維持される。初めから番号の継続性を意識しておく価値はある。
なお、番号ポータビリティ(他社への番号移管)についても調べたが、クラウドPBXの番号は現時点では移管に制限がある場合が多く、ここは完全には確認できていない。契約前に「他社に番号を移せるか」という点も事業者に確認しておくことを勧める。
コスパで選ぶならGMOオフィスサポートが起点になる
電話代行まで不要で、固定番号を持ちたいだけ——そういうニーズなら、GMOオフィスサポートの基本プラン(月額660円〜)+03PLUSの組み合わせが現状でもっともコストを抑えられる選択肢だと思う。
GMOオフィスサポートは全国に拠点があり、渋谷・新宿・梅田などから住所を選べる。バーチャルオフィスとしての基本機能——住所利用、法人登記、郵便物転送——は660円のプランでも揃っている。電話転送が不要なら、これが国内最安水準だ。
顧客対応が増えてきたタイミングで電話代行サービスを追加する、という使い方も現実的。最初から全部入りのプランを選ぶより、段階的にオプションを足していくほうが無駄がない。
GMOオフィスサポートを試してみるなら
月額660円(税込)から。住所利用・法人登記・郵便転送がセット。電話番号は03PLUSを別途追加することで固定番号を取得できる。
電話サービス全般については、バーチャルオフィスのメリット・デメリット総まとめの記事でも触れているので参考にしてほしい。また、法人設立を検討しているならバーチャルオフィスで法人登記する方法の記事も合わせて読んでおくことを勧める。